うなぎの栄養|成分表の数値と、「効く」と書けない理由

うなぎは「栄養がある食べ物」として語られます。夏に食べるものだと言われ、疲れたときに食べるものだとも言われます。では、実際に何がどれだけ入っているのでしょうか。

京都でうなぎ料理を専門にしている京うな和が、うなぎの栄養を公的な数値から整理します。

先にお伝えすると、うなぎは、ビタミンAとビタミンDをとりわけ多く含む食品です。 たんぱく質も脂質も豊富で、成分表の上でも特徴のはっきりした食品といえます。ただし、「疲労回復に効く」といった書き方は、この記事ではしません。 その理由も、あとで説明します。

数字から入り、そのあと制度と読み方の話に進みます。

  • 成分表の数値 — かば焼・白焼・生を並べます
  • 特徴的な栄養素 — ビタミンAとD
  • 「効く」と書けない理由 — 食品の表示のきまり
  • 摂りすぎの話 — ビタミンAには上限があります
目次

うなぎには、どんな栄養が含まれているのでしょうか

文部科学省の食品成分データベース(日本食品標準成分表2020年版・八訂 増補2023年)から、うなぎ かば焼の可食部100gあたりの値を挙げます。

成分 数値
エネルギー 285 kcal
たんぱく質 23.0 g
脂質 21.0 g
炭水化物 3.1 g
ビタミンA(レチノール活性当量) 1500 μg
ビタミンD 19.0 μg
ビタミンE(α−トコフェロール) 4.9 mg
ビタミンB1 0.75 mg
ビタミンB2 0.74 mg
カルシウム 150 mg
鉄 0.8 mg

目を引くのは、ビタミンAとビタミンDの多さです。 どちらも脂に溶けるビタミン(脂溶性ビタミン)で、うなぎのように脂の多い魚に多く含まれます。

たんぱく質23.0gも、魚としては多い部類です。カルシウム150mgも、魚の中では目立つ数字です。

かば焼・白焼・生で、数値はどう違うのでしょうか

かば焼・白焼・生で、数値はどう違うのでしょうか

同じうなぎでも、状態によって数値が変わります。同じ食品成分データベースから、可食部100gあたりで並べます。

かば焼 白焼き 養殖・生
エネルギー 285 kcal 300 kcal 228 kcal
たんぱく質 23.0 g 20.7 g 17.1 g
脂質 21.0 g 25.8 g 19.3 g
炭水化物 3.1 g 0.1 g 0.3 g
食塩相当量 1.3 g 0.3 g 0.2 g
ビタミンA(レチノール活性当量) 1500 μg 1500 μg 2400 μg
ビタミンD 19.0 μg 17.0 μg 18.0 μg
ビタミンB1 0.75 mg 0.55 mg 0.37 mg
ビタミンB2 0.74 mg 0.45 mg 0.48 mg

読み取れることを、3つ挙げます。

1つめ。生の状態が、ビタミンAはもっとも多い。 養殖・生で2400μg、焼いたものは1500μgです。焼く過程で水分が抜け、脂も落ちるため、100gあたりの構成が変わります。

2つめ。かば焼には炭水化物がある。 3.1gという数字は、たれに含まれる糖分によるものです。白焼きの0.1gと比べると、その違いがはっきりします。

3つめ。白焼きは脂質が高い数字になっている。 25.8gと、かば焼の21.0gより高くなっています。たれの分だけかば焼の重量が増えるため、100gあたりで見ると白焼きのほうが濃くなる、という関係です。

なお、これらは食品としての標準的な値です。店で提供される一人前の値ではありません。 うなぎの大きさ、産地、育ち方、焼き方、たれの量によって、実際の数値は異なります。

ビタミンAは、どのくらい多いのでしょうか

うなぎのビタミンAは、食品の中でもかなり多い部類です。

比較のために、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の値を挙げます。

  • 成人女性(18歳以上)の推奨量 — 650〜700 μgRAE/日
  • 成人の耐容上限量 — 2,700 μgRAE/日

うなぎ かば焼100gには、1500μgRAEのビタミンAが含まれます。 推奨量の2倍以上にあたる量が、100gに入っている計算になります。

これは「うなぎがすごい」という話であると同時に、摂りすぎの話とも関係します。 この点は、あとの節でもう一度扱います。

ビタミンAとは何をする栄養素なのか

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、ビタミンAは体内で合成できない栄養素であり、胎児の発達にとって必須の因子であると記されています。目の機能や、皮膚・粘膜の状態に関わる栄養素として知られています。

ただし、「うなぎを食べると目がよくなる」といった書き方はしません。 理由は、次の節で説明します。

ビタミンDは、何のための栄養素なのでしょうか

うなぎ かば焼100gには、ビタミンDが19.0μg含まれます。

ビタミンDは、カルシウムの吸収に関わる栄養素とされています。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」でも、目安量と耐容上限量が定められています。

ビタミンDは、食事から摂るほかに、日光を浴びることで皮膚でも作られるという特徴があります。食品から摂れるものとしては、魚類、きのこ類が主な供給源です。

うなぎには、ビタミンDとカルシウムの両方が含まれています。かば焼100gでカルシウム150mg。この組み合わせは、魚の中でも特徴的です。

「疲労回復に効く」と書けないのは、なぜでしょうか

ここが、この記事でいちばん説明しておきたい部分です。

うなぎについて調べると、「疲労回復に効く」「スタミナがつく」「夏バテに効く」といった書き方をよく見かけます。この記事では、そうした書き方をしていません。理由があります。

食品には、医薬品のような効能効果を表示できない

食品に「〜が治る」「〜に効く」といった医薬品のような効能効果を表示することは、医薬品医療機器等法(薬機法)で認められていません。 表示できるのは、栄養機能食品や特定保健用食品のように、制度に基づいて認められた範囲に限られます。

うなぎは、その制度の対象になっている食品ではありません。ですから、「疲労回復に効く」と書くことはできないのです。

書けるのは、どこまでか

成分として何が含まれているかまでは、事実として書けます。

  • 「うなぎ かば焼100gには、ビタミンAが1500μgRAE含まれます」 — 書けます
  • 「ビタミンAは、体内で合成できない栄養素です」 — 書けます
  • 「うなぎを食べると疲れが取れます」 — 書けません

この違いは、言葉遊びではありません。 食品を薬のように語ることが規制されているのは、根拠のない効能をうたって購入させることを防ぐためです。

「昔から夏に食べる」という話とは別

「土用の丑の日にうなぎを食べる」という習慣は、日本の食文化として実際にあります。習慣として語ることと、効能として書くことは別です。 この記事では、前者は書き、後者は書かない、という線を引いています。

摂りすぎになることは、あるのでしょうか

前の節で触れたビタミンAの話に戻ります。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人の耐容上限量は2,700 μgRAE/日とされています。この値は、成人では肝臓へのビタミンAの過剰蓄積による肝臓障害を指標にし、最低健康障害発現量を13,500μgRAE/日として、不確実性因子を5として定められたものです。

同じ資料には、「過剰摂取による健康障害が報告されているのは、サプリメントを大量に摂取した場合や動物の肝臓を大量に摂取した場合である」と記されています。

つまり、問題として報告されているのは、サプリメントと動物のレバーの大量摂取です。

うなぎ かば焼100gのビタミンAは1500μgRAEですから、一食で上限を超える量ではありません。ただし、推奨量の2倍以上が一食に入る食品であることは事実です。

現実的な受け止め方は、次のとおりです。

  • たまに食べるぶんには、心配する量ではありません
  • 毎日続けて食べるような食べ方は、想定されていません
  • サプリメントでビタミンAを摂っている方は、重なることを意識してください
  • レバーを同じ日に多く食べる予定があるなら、意識する価値があります

なお、妊娠中の方は、ビタミンAの摂り方について別の注意点があります。 判断は主治医に相談してください。

必要な量、控えるべき量は、年齢・体格・体質・持病の有無によって人によって異なります。食事について医師や管理栄養士の指導を受けている方は、その指示を優先してください。

一緒に食べるものまで含めて見ると、どうなるのか

うなぎは、単体で食べる料理ではありません。うな重もひつまぶしも、ご飯と一緒に食べる形です。ここまで含めて見ると、一食としての姿が見えてきます。

文部科学省の食品成分データベース(日本食品標準成分表2020年版・八訂 増補2023年)では、水稲めし(精白米・うるち米)の可食部100gあたりのエネルギーは156kcal、たんぱく質2.5g、脂質0.3g、炭水化物37.1g、食塩相当量0gです。

ここから見えることが、2つあります。

1つめ。ご飯が炭水化物、うなぎがたんぱく質と脂質を担っている。 役割がきれいに分かれています。

2つめ。野菜の要素が入っていない。 うな重にもひつまぶしにも、野菜はほとんど乗りません。お吸物と漬物が添えられるのは、この点を補う意味もあります。

厚生労働省の生活習慣病などの情報サイト(e-ヘルスネット)では、主菜(魚や肉、卵などたんぱく質を中心とした料理)と副菜(野菜を中心とした料理)を組み合わせ、バランスよく食べることが望まれますとされています。うなぎ料理の献立で言えば、うざく(うなぎときゅうりの酢の物)や、天ぷら、先付といった一品を添えると、この形に近づきます。

肝や、その他の部位にも栄養があるのか

うなぎは、身以外の部分も料理に使われます。

肝(きも)。 お吸物(肝吸い)や、肝焼きとして提供されます。動物の肝臓は、ビタミンAが特に多い部位として知られています。この記事の前の節で見たとおり、厚生労働省の食事摂取基準では、ビタミンAの過剰摂取による健康障害が報告されているのは、サプリメントの大量摂取と動物の肝臓の大量摂取の場合とされています。うなぎの肝も、日常的に大量に食べるものではないと考えるのが妥当です。

骨(骨せんべい)。 揚げて食べることがあります。骨ごと食べるので、カルシウムの供給源になります。

皮。 かば焼では、皮ごと焼きます。脂の多い部分です。

なお、肝は数量に限りがあることが多く、扱いは店によって異なります。妊娠中の方は、肝を含む料理について特に主治医に相談してください。

他の魚と比べると、どうなのでしょうか

うなぎの位置づけを、もう少しはっきりさせておきます。

脂質が多い魚です。 かば焼100gで21.0g、白焼き100gで25.8g。脂ののった魚である、というのはそのとおりです。

ビタミンAは、魚の中でも突出しています。 一般的な魚の切り身では、ここまでの量は含まれません。うなぎの特徴として、最も分かりやすい点です。

ビタミンDも多い部類です。 ただし、これは脂の多い魚に共通する特徴でもあります。

たんぱく質は、魚として標準からやや多め。 かば焼100gで23.0gです。

つまり、うなぎを特徴づけているのは、脂質とビタミンAということになります。

京うな和でできること

京うな和は、京都でうなぎ料理を専門にしている店です。四条堺町、清水はなれ、祇園八坂の三店舗で営業しています。鰻にこだわっています。全国から厳選された、大きく良質な特大肉厚うなぎを仕入れております。

もちろん、米にもこだわっています。 長野県の農家様と特別契約をさせていただき、うなぎに合う糖度の高いお米を作っていただき、玄米のまま仕入れをしております。毎日使う分だけ精米し、そのつどおいしく炊きたてです。

たれは、この道四十年の職人の逸品です。杉の桶で熟成させた生引醤油と、昔ながらのたまり醤油を合わせ、極上みりんとざらめでじっくり寝かせています。

かば焼と白焼の両方をご用意しています。かば焼と白焼では成分の構成が変わります。たれにつけずにじっくりと焼き上げた白焼は、うなぎ本来の味をお楽しみいただけます。2026年9月時点の公式サイト掲載の内容では、白焼ひつまぶし、白焼、長焼をご用意しています。

メニューの内容は店舗によって異なる場合があります。四条堺町、清水はなれ、祇園八坂の各ページで、住所・電話番号・営業時間をご確認のうえ、ご来店ください。お品書きは本店 お品書きに掲載しています。

なお、京うな和では各メニューの栄養成分値を公開していないため、この記事では自店のメニューの数値は扱っていません。この記事の数値は、文部科学省の食品成分データベースに掲載されている食品としての値です。

うなぎを味わいに、京都の京うな和へお立ち寄りください。

よくある質問

Q. うなぎで一番多い栄養素は何ですか。

ビタミンAとビタミンDです。文部科学省の食品成分データベースでは、うなぎ かば焼100gあたり、ビタミンA(レチノール活性当量)1500μg、ビタミンD 19.0μgです。

Q. かば焼と白焼では、どちらが栄養がありますか。

含まれる栄養素の構成が違います。100gあたりでは、白焼きのほうが脂質が高い数字(25.8g)で、かば焼のほうがたんぱく質とビタミンB1・B2が多い数字です。かば焼の炭水化物3.1gは、たれの糖分によるものです。

Q. うなぎは疲労回復に効きますか。

食品に医薬品のような効能効果を表示することは、医薬品医療機器等法で認められていません。この記事では、含まれている成分の数値までをお伝えしています。

Q. うなぎを食べすぎると体に悪いですか。

厚生労働省の食事摂取基準では、ビタミンAの成人の耐容上限量は2,700μgRAE/日です。かば焼100gの1500μgRAEは、一食で上限を超える量ではありません。ただし、毎日続けて食べるような食べ方は想定されていません。サプリメントやレバーと重なる場合は、意識する価値があります。

Q. 妊娠中でも食べられますか。

妊娠中のビタミンAの摂り方には、別の注意点があります。判断は主治医にご相談ください。

Q. うなぎのカロリーはどのくらいですか。

文部科学省の食品成分データベースでは、可食部100gあたり、かば焼285kcal、白焼き300kcal、養殖・生228kcalです。これは食品としての値で、一人前の値ではありません。

まとめ

  • うなぎは、ビタミンAとビタミンDをとりわけ多く含む食品
  • 文部科学省の食品成分データベースでは、かば焼100gあたり285kcal、たんぱく質23.0g、脂質21.0g、ビタミンA 1500μg、ビタミンD 19.0μg、カルシウム150mg
  • 養殖・生のビタミンAは2400μgと、焼いたものより多い。焼く過程で構成が変わる
  • かば焼の炭水化物3.1gは、たれの糖分によるもの(白焼きは0.1g)
  • 白焼きの脂質25.8gがかば焼より高いのは、たれの分だけかば焼の重量が増えるため
  • 厚生労働省の食事摂取基準では、成人女性のビタミンA推奨量650〜700μgRAE/日、耐容上限量2,700μgRAE/日
  • 「疲労回復に効く」とは書けない。 食品に医薬品のような効能効果を表示することは薬機法で認められていない
  • 過剰摂取の健康障害が報告されているのは、サプリメントの大量摂取と動物の肝臓の大量摂取
  • うなぎを特徴づけているのは、脂質とビタミンA
  • 京都の京うな和では、全国から厳選した特大肉厚うなぎをご用意しています。ご来店をお待ちしております

この記事について

この記事は、京都でうなぎ料理を専門にしている京うな和がお届けしています。

栄養成分の数値は文部科学省「食品成分データベース」(日本食品標準成分表2020年版・八訂 増補2023年)、推奨量・耐容上限量は厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」に基づいています。掲載した数値は食品としての標準的な値であり、店で提供される一人前の値ではありません。本記事は一般的な情報の提供を目的としたものです。必要な量や控えるべき量は、年齢・体格・体質・持病の有無によって人によって異なります。妊娠中の方、治療中の方、食事について指導を受けている方は、主治医や管理栄養士の指示を優先してください。

参考文献

  • 文部科学省 食品成分データベース「うなぎ かば焼」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10070_7
  • 文部科学省 食品成分データベース「うなぎ 白焼き」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10069_7
  • 文部科学省 食品成分データベース「うなぎ 養殖 生」 https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10067_7
  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
  • 京うな和「本店 お品書き」 https://kyo-unawa.com/menu/

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